残暑は「紫外線」と「暑さ」を一つの行動で考える
8月下旬から9月にかけても、日中の外出では紫外線と高温多湿の両方に注意が必要です。日焼け止めだけでは体の熱は下がらず、水分補給だけでは肌への紫外線を防げません。日陰や日傘、帽子、通気性のよい衣服、適切な飲み物、必要に応じた日焼け止めを組み合わせるのが基本です。
暑さの判断では、気温だけでなく湿度や日射、周囲からの輻射熱を含む暑さ指数(WBGT)が参考になります。環境省は2026年度も4月22日から10月21日まで、全国の暑さ指数の実況・予測情報を提供しています。外出や運動の前に、地域のWBGTと熱中症警戒アラートを確認すると、対策の強さを決めやすくなります。(出典:wbgt.env.go.jp)
日焼け止め表示は「数値の高さ」より場面との相性を見る
SPFは主にUVBによる赤くなる日焼けを防ぐ効果の目安、PAはUVAに対する防御の程度を示す表示です。どちらも単純に「何時間効くか」を表す数字ではなく、使用量、汗や摩擦、紫外線の強さによって実際の防御は変わります。SPFやPAが高いほど、あらゆる場面で最適とは限りません。(出典:jcia.org)
通勤や短時間の買い物、洗濯物を干す程度なら、肌への使用感や落としやすさも含めて日常生活向けの商品を選ぶ考え方があります。一方、炎天下で長時間過ごす、海やプールに入る、スポーツで汗をかく場合は、表示値に加えて使用目的に合う耐水性や塗り直しのしやすさを確認します。
「UV耐水性」はSPFやPAとは別の表示です。同じSPF・PAの商品であれば、UV耐水性表示があるから紫外線防御の数値自体が高いという意味ではありません。水に触れた後も防御効果が維持されることを期待する表示なので、水辺や大量に汗をかく場面で比較軸になります。(出典:jcia.org)
- 表示値だけでなく、使用量、塗り直し、汗・水・摩擦への強さを見る
- 顔用、体用、敏感な部位用など、製品の使用方法と注意表示を確認する
- 重ね使いしたSPFを単純に足し算しない
塗るだけで終わらせず、日陰・帽子・衣服を重ねる
紫外線対策は、肌に塗る製品だけに頼らない方が実行しやすくなります。日傘や帽子、日陰の利用、外出時間をずらすことは、塗り忘れや汗による流れ落ちを補う方法です。環境省の紫外線マニュアルも、生活場面に応じた日焼け止めの選択と、衣服などを含む複数の対策を示しています。(出典:env.go.jp)
暑さ対策では、UVカットの有無だけで衣服を評価しないことが重要です。厚く熱をためやすい服より、通気性、吸湿性、速乾性のある服を優先し、直射日光が強い場面では帽子や日傘を組み合わせます。長袖を着る場合も、風が通らず汗が乾かないなら負担になるため、素材表示と実際の着用感を確認します。厚生労働省も、通気性・吸湿性・速乾性のある衣服や、日傘・帽子、日陰と休憩を対策として挙げています。(出典:mhlw.go.jp)
- 肌の露出を減らす衣服、帽子、日傘を場面に応じて組み合わせる
- 汗がこもる、動きにくい、乾きにくい服は無理に着続けない
- 首、耳、手の甲、足の甲など塗り忘れやすい部位を出発前に確認する
水分補給は「のどが渇く前」と「汗の量」で調整する
厚生労働省は、室内でも屋外でも、のどの渇きを感じなくてもこまめに水分を補給するよう案内しています。外出前に飲み物を用意し、移動中は休憩とセットで少量ずつ飲むと、後から一気に飲むより行動に組み込みやすくなります。(出典:mhlw.go.jp)
通常の短時間の外出では、まず水やお茶などを選択肢にできます。ただし、大量に汗をかいたときは水分だけでなく塩分も失われます。長時間の屋外作業や運動では、汗の量や活動強度に応じて、ナトリウムを含む飲料などを検討します。塩分制限がある人、腎臓・心臓などの病気で治療中の人は、自己判断で塩分や水分を増やさず、主治医や薬剤師に確認してください。(出典:mhlw.go.jp)
経口補水液は、日常の水分補給用飲料として常用するものではありません。脱水が疑われるときなどに使う飲料で、製品によっては500ミリリットル当たり相当量の塩分を含みます。スポーツドリンクのように習慣的に飲むのではなく、表示や公的案内を確認して使い分けます。(出典:gov-online.go.jp)
- 外出前・移動中・帰宅後に飲むタイミングを決める
- 大量発汗時は水分と塩分の両方を意識する
- 経口補水液を健康な人の日常飲料と誤解しない
注意点と誤解を避ける方法
「SPFが高ければ塗り直し不要」「日傘があれば日焼け止め不要」「水だけ飲めば十分」「経口補水液なら多いほどよい」といった単純化には注意が必要です。日焼け止めは汗や摩擦で落ちることがあり、日傘や衣服にも覆えない部分があります。逆に、暑さ対策を優先するあまり、厚着や重ね着で体に熱をためることもあります。
日焼け止めは商品説明に従った量と方法で使い、汗をかいた後やタオルで拭いた後は必要に応じて塗り直します。肌に刺激、赤み、かゆみなどが出た場合は使用を中止し、症状が続くなら皮膚科などの専門家に相談してください。
めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、倦怠感などがある場合は、涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて体を冷やします。自力で水が飲めない、意識がはっきりしない場合は、すぐに救急車を要請してください。個人の持病や服薬、年齢によって適切な水分・塩分量は異なるため、一般的な目安を個別の治療指示として扱わないことが大切です。(出典:mhlw.go.jp)
読者が確認するチェックリスト
今日の外出前に、次の項目を確認しましょう。すべてを高性能な商品でそろえるのではなく、予定、滞在時間、発汗量、肌の状態に合うかで判断するのがポイントです。
- 目的地と時間帯のWBGT、熱中症警戒アラートを確認した
- 日陰、冷房のある場所、休憩できる場所を予定に入れた
- 日焼け止めのSPF・PA・UV耐水性と使用部位を確認した
- 汗や摩擦で落ちやすい部位の塗り直し方法を決めた
- 帽子、日傘、通気性・吸湿性・速乾性のある衣服を用意した
- 飲み物を持ち、のどが渇く前に飲む計画を立てた
- 大量発汗時の塩分補給と、経口補水液の使い方を混同していない
- 持病、塩分制限、服薬がある場合は医療専門家への確認が必要か考えた